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〜フィールドフォースの2017年展望〜 学童野球を真摯に応援し、ブランド価値を高めていきたい

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2007年の創業から10年、第11期目を迎えたフィールドフォース。学童野球を全面的にサポートすることを掲げ、数々の野球トレーニング用品や質の良いグラブをつくり続けてきました。2017年は「3年以内にブランドの臨界点に達する」ことを目標に掲げ、自社ブランドの製品やサービスをより一層強化しようとしています。「今は会社の改革期と位置づけています」という大貫社長と吉村専務にこれまでの10年を振り返ってもらいながら、今後の展望をうかがいました。

3年以内に「ブランドの臨界点」に達する

フィールドフォースの大貫社長
フィールドフォースの大貫社長

大貫 フィールドフォースはこれまで10年近く、野球用品をつくるメーカーとして試行錯誤を繰り返しながら発展してきましたが、何せゼロから始めたブランドですので、正直な話、一般的な認知度はまだまだ低いです。ブランドとしての認知度が低いことで、自分たちの思い通りにトレーニング用具を開発できないなど、悔しい思いもたくさんしてきました。

創業当初から業績が順調に推移してきたこともあり、我々自身が環境に甘えてしまい、本来の目標を見失っていたこともありました。そこでもう一度原点に立ち戻り、学童野球を真摯に応援するブランドという立ち位置を明確にして、子どもたちの手助けをするオリジナル商品を開発していきたいと考えています。そのためにフィールドフォースのことをたくさんの方に知ってもらいたいのです。

ブランドの臨界点という言葉があります。ブランドの認知度というものは右肩上がりに上がっていくものではなくて、ある時期を境に突然、爆発的に上がるということです。今、フィールドフォースというブランドは3年以内、2020年までにこの臨界点に達することを目指しています。

我々の目指すブランドの臨界点は、学童野球の関係者がフィールドフォースと聞いて知らない人はいない、という状態です。そのために学童野球の大会に協賛したり、BALLPARKの施設を拡充したり、自分たちにできる活動を地道に続けていきたいと考えています。

 

10年の振り返り〜脱サラして起業!協力者に恵まれた創業期

大貫 まず我々、そもそもは同業の会社からの脱サラ起業です。もともといた会社の経営方針と合わないところがあって独立を考えていたのですが、私も吉村も海外で長く仕事をしており、いくつかの海外の工場の人たちが「やれよ」と応援してくれまして。いちばん応援してくれたのは今いっしょに株主をやってくれている台湾人の方なんですけども、その方の応援もあって起業することができました。

我々の行っているような輸出入・販売業務はものすごくお金がかかります。最初に原材料を買って製品をつくって、それを輸入して日本で販売します。資金が回収できるまで半年くらいかかるので、本来は脱サラして始めるような仕事ではないのですが、海外の工場の方々が支払条件を融通してくれるなど、いろいろな援助があって起業できました。

フィールドフォースの吉村専務
フィールドフォースの吉村専務

吉村 私は創業1年目、2年目は年間180日くらい中国に行っていました。現地の協力工場はもともと野球用品をつくっていたわけではないので、泊まり込んでゼロから直接指導していました。特に中国は広大で移動が大変なんですね。広東省の工場から福建省の工場まで1,000キロ近い距離を車で9時間かけて移動したりしていました。

大貫 非常に運が良かったのは、我々が最初につくったフィールドフォースブランドの商品を量販専門店に置いてもらえたことです。会社をつくるときにある程度は胸算用していたのですが、いきなりフィールドフォースブランドを取り扱ってもらって、しかも売れたのです。幸先の良いスタートでした。

 

10年の振り返り〜良くも悪くも為替レートに振り回された

フィールドフォースは海外の工場で生産した商品の輸入・販売がメイン事業です。輸出入事業者にとって、非常に重要となってくるのが為替レートです。商品の良し悪しではなく、為替レートが大きく変動することで赤字になってしまうこともあるのです。

大貫 今回、フィールドフォースの10年を振り返るということで、いろいろと過去の出来事を掘り起こしていたのですが、まずは為替レートというものを抜きには語れません。第1期目のスタート時点では1年間の平均レートが117円台でした。我々ははっきりいってツイていました。そこからどんどん円高にふれてきまして、2年目には103円台になりました。そして私も今でも覚えてますけども、3年目の2009年に100円を切ったときにはバンザイしたんです(笑)。2009年は国内では民主党政権が誕生し、アメリカではオバマ大統領が就任した年です。ここから急激な円高が第6期の2012年まで続くわけですね。特に2011年と2012年は1年間の平均レートが2年連続79円台だったのです。
我々は輸入業者ですから、円高になればなるほど利益が出やすい。創業してからしばらくは記録的な円高という追い風の中で事業を展開していけたのです。2年目、3年目と順調に取引を増やしていき、売上高もどんどん伸びていきました。

業績が為替レートに大きく左右されるのは輸出入業者の宿命
業績が為替レートに大きく左右されるのは輸出入業者の宿命

10年の振り返り〜円高の恩恵を受けた「見かけの発展期」

大貫 第3期から第6期まで、2009年から2012年という時期は売上も利益もしっかりと出ていたのですが、今から振り返ると、じつは見かけの発展期だったのですね。円高という恵まれた状況で、ある意味何も苦労しなくても会社がうまくいっていたのです。社内の体制や効率化といった問題は円高に隠れて表に出ていませんでした。何をやっても利益が出るといった甘い環境の中で胡坐をかいてしまっていたわけです。

吉村 ちょうど世の中で「PB商品」という言葉が流行った時代で、コンビニやスーパーごとに独自ブランドの製品が大量に登場し始めた頃です。スポーツ用品の量販専門店さんも例外ではなくて、各社がPB商品を立ち上げて、品ぞろえを増やしたいという時期だったんです。我々もその流れに乗って、OEMで各社のPB商品を請け負い、どんどん生産していました。

大貫 工場にも投資しているし、稼働させなきゃいけないし、我々も会社をつくったばっかりでお金もなかったので、いろいろな専門量販店さんのPB商品をつくりました。たとえば日本中の軟式練習ボールの9割以上はフィールドフォースがつく

っているのですが、当然ながらPB商品では我々のブランドとしての認知度は向上していかないんですね。

円高から一転して急激な円安に。誰にも予測できないのが為替レート
円高から一転して急激な円安に。誰にも予測できないのが為替レート

10年の振り返り〜急激な円安に悩まされた「逆境期」

大貫 円高の時代に社内体制を整備しなかったツケが2013年、第7期から表面化してきます。いわゆる黒田のバズーカ砲、異次元の金融緩和という政策によって、あっという間に円安に向かうわけです。最高で2015年6月(第9期)に125円台まで安くなりました。1ドル70円台だった頃と比べると、じつに40%も為替レートが動いているんです。創業時に追い風を受けて始めたのが、今度は一転して逆風に突然放り出されて、さあ大変だとなりました。

OEMでたくさんのオーダーをもらっていたのですが、見積もりした時期と実際に商品を納めるときの為替レートが大きく変動しているのです。2週間で10円も円安にふれてしまったりして、つくればつくるほど赤字になってしまうこともありました。まさに為替の変動だけで赤字という状況で、非常に大きな損失を出してしまいました。

為替レートの急激な変動で想定外の損失が出てしまう
為替レートの急激な変動で想定外の損失が出てしまう

吉村 それに2012年頃からOEMでつくったPB商品自体の売上が落ちていたのです。ちょうどPB商品の飽和期というか、専門量販の各社さんがみんな同じようなPB商品を店頭に並べ始めて、全体的なパイが減ってしまいました。PB商品の販売が悪くなれば仕入れも控えられてしまって、我々の方では何もコントロールできません。OEMだけをやっていても未来はないな、という考えが強くなった時期なのです。

10年の振り返り〜自分たちのブランドを確立させないとマズい

円高の恩恵を受けて順調に業績を伸ばしていたフィールドフォースですが、OEM生産の比率が増えていくことで、経営上のさまざまな問題が浮き彫りになってきます。2013年の時点の売上比率はOEMが70%でオリジナル商品は30%となっていました。

大貫 このままではいけないということで、2013年(第7期)に「オリジナル商品の売上比率60%を2017年中に達成する」という経営ビジョンを発表しました。このときはオリジナル商品の売上比率が30%しかなくて、OEM中心の経営になってしまっていたのです。経営を安定させるためにOEMは今後も続けていきますが、やはりオリジナルブランドで勝負していかないと生き残ることはできません。

吉村 2016年(第10期)の時点でオリジナル商品の売上比率が40%強まで上がっているので、あと1年でなんとか達成したいと考えています。

大貫 これまでOEMに注力してきたのも、やはりブランドの認知度の問題があったからです。フィールドフォースというブランドは新参者ですから、オリジナル商品を開発したからといって、すぐに店頭に並べてもらえるわけではありませんでした。ですから、我々が開発した用具でも、フィールドフォースブランドではなく、PB商品としてつくらざるを得ないこともありました。

吉村 企画・開発に関しても、どうしても小売店側の意向が強くなってしまうんですね。自分たちの思い通りにはつくれないというか、仕様や販売価格まで先に決まっていますから、自分たちの利益幅を削るしかなくなってしまうんです。

 

10年の振り返り〜ベストセラーのオリジナル商品が誕生した理由

吉村 我々が開発しているオリジナル商品の中で最大のベストセラーとなっているのが「バッティングネットオートリターン(FTM-261AR)」です。創業当初からアイデアを温めていたのですが、3年目に満を持して製品化しました。

大ベストセラーとなったオリジナル商品「バッティングネットオートリターン(FTM-261AR)」
大ベストセラーとなったオリジナル商品「バッティングネットオートリターン(FTM-261AR)」

大貫 以前にもお話しましたが、最初は店頭でぜんぜん売れませんでした(笑)。ところがベースボールタウンというサイトで説明動画を付けて売り出したところ、飛ぶように売れたのです。
吉村 これがひとつの転換点になりました。商品説明用の動画はしっかりつくっていかなきゃいけないと。いまでもベースボールタウンさんとの取引は毎年右肩上がりで販売が伸びています。「バッティングネットオートリターン」に関しては、他のネットショップさんから「ウチでも取り扱いさせてください」という引き合いも多いのですが、やはり最初にベストセラーに育ててくれたベースボールタウンさんに恩義を感じていて、ネットでは取引先を拡大させていないのです。

さらに2016年末からは大幅に改良した後継機「オートリターン・フロントトス(FTM-263AR)」も販売を始めました。この看板商品を中心にして、オリジナル商品の比率を高めていきたいと考えています。

オリジナル商品の柱となる「オートリターン・フロントトス(FTM-263AR)」
オリジナル商品の柱となる「オートリターン・フロントトス(FTM-263AR)」

10年の振り返り〜ブランド価値を高めるための地道な活動

大貫 2013年くらいからの円安という逆風の中で、我々のオリジナル商品をもっともっと売っていくためにどうすればいいのかということを真剣に考え始めました。フィールドフォースというブランドを多くの人に知ってもらいたい、ブランドの価値を伸ばしていくためにはどうしたらいいのかと考え、2015年(第9期)にBALLPARK構想を掲げました。フィールドフォースのブランディングの一環ですね。

 

天候に左右されない屋内練習場を核にした複合施設「BALLPARK」は2016年にオープン
天候に左右されない屋内練習場を核にした複合施設「BALLPARK」は2016年にオープン

BALLPARKは野球教室もできる屋内練習場を核にして、グラブ組み上げなどのイベントを行えるグラブ工房、当社トレーニング用品を実際に試せる体感型ショップを2016年にオープンしました。おかげさまで地元でも認知度が上がってきていると実感しています。

そして2017年3月には新たに「ヒーローズ学習塾」が始まります。BALLPARKに併設されている体感型ショップの2階に学習塾をオープンするのです。応援している学童野球への取り組みに関して、我々は単に道具を売っているだけでいいのか、という想いです。子どもたちはいろいろな習い事をしなくちゃいけないし、お母さん方も忙しい。1カ所で野球も勉強も両方できるなら、移動する手間もかかりません。学童に対する野球というのは教育の一環ではないだろうか、野球も勉強も両面でバックアップしていきたいと考えました。

野球も勉強も一か所で。BALLPARKに併設する「ヒーローズ学習塾」は2017年3月にオープン予定
野球も勉強も一か所で。BALLPARKに併設する「ヒーローズ学習塾」は2017年3月にオープン予定

吉村 さらに我々は学童野球を応援する意味を込めて、フィールドフォースカップという学童野球の大会を毎年2月に主催しています。2017年は第3回大会となりますが、東京だけでなく大阪でも開催することになりました。いずれも選抜された強豪チームばかりですが、将来的に東京と大阪の優勝チーム同士の決勝戦まで開催したいと考えています。

22チームが参加する第3回フィールドフォースカップのトーナメント表
22チームが参加する第3回フィールドフォースカップのトーナメント表

大貫 これまでのフィールドフォースの10年間が、モノをつくるメーカーとしての10年間だとしたら、今後はもう少し教育や社会貢献の方にも力を入れていきたいと考えています。野球でも勉強でもトータルで子どもたちと関わって、1人でも多くの方々にフィールドフォースというブランドを知ってもらいたい、そのための活動を続けていきます。


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